奇々怪々 謎の黒マント
92.12.22 ナツメ
【最近の若者は、なんでもかんでもネットで調べようとブツブツ……】 奇々怪界は1986年10月にタイトーからリリースされた業務用のアクションゲーム。 巫女の小夜ちゃんが妖怪にさらわれた七福神を救う。 とまぁ、文章が思いつかないからという理由で のっけからウィキペディアからまんま引用してしまっています。 とにかくだ、「奇々怪界」とは、 「元祖☆巫女さんゲー」として知られる古典ソフトである!! あ、本当に元祖なのかどうかを問い詰められると自信がないので、 「名代☆巫女さんゲー」と訂正しておきましょうか。 もうね、「本家☆巫女さんゲー」でもいいし、 「直系☆巫女さんゲー」でも構いませんよ。 もちろん「愛され続けて20余年☆巫女さんゲー」ってのもアリですけど、 そんなのどうでもいいですね。 『奇々怪界 謎の黒マント』は、1992年12月22日に ナツメから発売された日本のゲームソフト。 とまぁ、つぎに何を書いたらいいのかわからないからという理由で またまたウィキペディアからまんま引用してしまいました。 とにかくだ、「奇々怪界 謎の黒マント」とは、 「奇々怪界」のスーパーファミコン版である!! …フゥ、ぼちぼち文面を稼ぐことができました。 これ以上フザケていると怒られますので、このへんで前置き終了。 えぇい、とにかくだ! 「奇々怪界 謎の黒マント」ってのは、こんな↓ゲームなのだ! タイトーとライセンス契約を結んだナツメが開発、販売を手がけた スーパーファミコン版の『奇々怪界』シリーズ第1弾。 パッケージイラストは漫画家のあさりよしとおが担当し、 操作性などに独自の要素が加えられた作品で、 北米では『Pocky & Rocky』(ポッキー アンド ロッキー)の表題で発売された。 とまぁ、同じネタは最低3回は繰り返すのがお約束という理由で、 けっきょくウィキペディアからまんま引用してしまったぞ!! クァーッハーハッハッハッハッハ!! ![]() ![]() あさりよしとおが担当したのは、あくまでパッケージイラストのみ。プリクラ写真は、本人とは別物という現象に似ています。 (本編とはまったく関係のないCM) 【熱く語っても伝わらないことを、敢えて熱く語るのだ】 今から時をさかのぼること数年前のハナシ。 シューター属性の某知人から、こんなコトを言われました。 ホワホワホワ〜ン(回想シーンに突入) 「スーパーファミコン版の「奇々怪界」って知ってます? コイツがね、よく出来ていて、しかもさりげに面白いンですよ。」 これに対する僕の反応は、こんな↓感じでした。 「うん、「謎の黒マント」の存在はリアルタイムで知っています。 職人的ゲーム製作集団ナツメが手掛けていることも知っています。 だけど、ゲームシステム自体は古臭いから興味ありませんねェ。」 ![]() ※画像はイメージです。 ………(沈黙)。 ………………(長い沈黙)。 ………………(興味ありません発言したことを後悔している)。 ……はいっ! それでは気を取り直して、説明しておきましょう! 「奇々怪界 謎の黒マント」のゲームシステムがいかなるものなのかをッ! ・十字キー…キャラクターの操作。移動することにより、任意で画面をスクロールさせる。 ・Aボタン…おふだ攻撃。「通常ショット」。Yボタンで自動連射。 ・Bボタン…おはらい。「弾消し」の効果も持つ接近攻撃。 ・LRボタン…術。いわゆる「ボム」。一瞬無敵になって、画面上の敵に大ダメージを与える。 ・Xボタン…すべりこみ。攻撃判定を持たず、若干のスキも生まれる「緊急回避」用ダッシュ。 どうですか、奥さん。 「奇々怪界 謎の黒マント」は、こんな感じのゲームですよ。 概要だけを説明すると、こんだけのゲームなんですよ。 ナツメ製ゲームの代名詞とも言える 「少ないボタンで豊富なアクション」は本作では見られず、 できるアクションは、ショット・接近攻撃・ボム・ダッシュだけ(※)という おそろしくシンプルなゲームシステムなのでございます。 ここでテレビの前の奥様に問いたい。 こんな説明で「面白そう」って思いますか? これだけで「とても面白そうだなぁ」と思う方がオカシイと思いませんか? たったこれだけの説明で「とても面白そうダワ!アァ〜ン!」などと思うご婦人は、 きっと御家庭に「ありがたいツボ」とか「カラダがキレイになる水」といった類の 超自然的パワーが宿ったアイテムを定期購入しているに違いありませんよ! ![]() ※おはらいボタンを一定時間押しっぱなしにすると発動する「おはらいチャージ」。 通常クリアするぶんにはそれほどメリットが無いので、この場では割愛させていただきます。 …えー。 ここまで書いた時点で気がついたのですが、 ようやくやっとこさプレー中の画像が登場しました。 いやぁ、それにしてもかわいいグラフィックですよね。 河合奈保子も納得です。 川合俊一も頷きます。 河相我聞ならラーメン作ります。 「奇々怪界 謎の黒マント」は、こういうゲームなのですよ。 こんな感じでシュパパパパとショットを放ちながら たまにチュインチュインと敵弾を消しつつ、 んでもって任意スクロールさせていきながら 全6ステージを駆け抜けるアクションゲームです。 あ、本作はアクションゲームに分類されることが多いのですけど、 ゲーム全体の文法としては、シューティングゲームだと思ってたほうが無難です。 ていうか、ぶっちゃけシューティングゲームです。 漢(おとこ)らしい難易度に耐性のある人でないと ゲームを楽しめないバランスに仕上がっているあたりなんかが特に。 (文章とはまったく関係のない巫女さん体験動画) 【殺られる前に殺れ!さもなくば死ぬまでよ!】 〈おことわり〉 いまさらですが、「奇々怪界 謎の黒マント」とタイトル全てを表記するのが面倒になったので 以下より本作の名称を「〜謎の黒マント」と呼ばせていただきます。 本作こと「〜謎の黒マント」は、その見た目の可愛いさとは裏腹に 激烈に難易度が高かったりします。 ライフ制+残機制という余裕とゆとりのある仕様でありながらも、 それはそれはもう、とっても硬派なゲームなのであります。 その難易度、いかなるものかと言いますと、 「まるで結婚詐欺を思わせるようなゲームバランス」といた感じでしょうか。 ゲームをプレーしていると、知らない間に少しずつダメージを受けて 気がついたときには死んでしまっている現象は、 まさに騙されている意識の無いまま少しずつ貯蓄を奪われていく結婚詐欺の構造にソックリそのままなのです。 事実、「〜謎の黒マント」には ザコ敵がカタイ、高速弾のバラ撒き、初見では回避不能な一撃死などといった 一般的に「難易度が高い」とされる要素はありません。 どいつもこいつも「目で確認してから対処できる」攻撃ばかりです。 それにも関わらず、激しく難しいのです。 本作の難易度が高い理由として 最もわかりやすいものでは、 「ステージ1から普通に敵の攻撃が激しい」ってのが挙げられます。 ![]() ゲーム開始直後にして、ありとあらゆる角度からワラワラ湧いてくる地獄絵図。 そこで僕らは考えます。 「任意スクロールタイプのゲームなんだから ちょっとずつスクロールさせて、出現してきた敵を ローラー作戦で片付けていけばいいんじゃね?」と。 それは1つの答えであります。 たしかに、任意スクロール制というゲームを てきとーにゴリ押しで進めようなどと考える方が間違っています。 だけど、それだけでは本作を戦い抜くにあたって 有効なプレースタイルとは言えなかったりします。 もう一度言いますが、「〜謎の黒マント」は任意スクロールタイプのゲームです。 そして、画面をスクロールさせない限り、 敵は特定の場面からエンドレスで出現し続けてくるように設計されています。 つまるところ、ある程度の敵を一掃したらスキを見つけて先に進まないと、 いつまでも敵と戦い続けなければいけないのです。 はいっ、みなさん。 ここで画面下中央部に表示されている数字に注目してください。 ![]() 赤マルで囲んでいる部分です。念のため。 いわゆる制限時間タイマーというやつです。 では、コレが0になったらどうなるでしょうか? はいっ、赤のボタンがついた! えっ? 「巫女さんだけに、新年あけましておめでとうございますぅ(はぁと)と祝福してくれる」? そのとおり、正解です! 答えは死ぬです。 ![]() ※画像はイメージです。 えー。まぁ、それはさて置き。 確実に敵を蹴散らしながら、制限時間内にクリアすることが求められる 「〜謎の黒マント」において、次に起こってくるであろう知恵は 「弾消し効果のある接近攻撃=おはらいを主体に進んで行けばイイのでは?」 だと思われます。 ![]() これが「おはらい攻撃」だ!チュインチュイン! そうですね。 接近攻撃って強そうですし、弾消し効果もあるのですから そいつをブンブン振り回しながら進んでいけば、それこそ一石三鳥ですよね。 所詮は昔のゲームですから、現代人の知恵を以ってすれば、 かつて言われてた高難易度もアッサリと乗り切れるのが相場ってもンですよ!! フハハハハハハハハ!! 〜閑☆話☆休☆題〜 少年が世界の平和を守る!って設定のアニメって、たいてい悪い大人が敵じゃないですか。 そんな大人って「これで世界はワタシのものだ!」とかいう いかにも悪いヤツっていう印象を持つのが王道ですよね。 だけどね、そこで皆さん思い出して見てくださいよ。 そういう世界征服を企もうとしている悪いひとの発言から、 「そんだけで世界せいふくできるって、本気でかんがえてるの?」って 子供心にツッコミ入れたことありますよね? 「こんなにアタマのわるいオトナって、ほんとうにいるの?」と疑問に感じてたこともあるはずです。 参考文献…日径タイヤモンド杜「世界征服を目指す大人たちの成功習慣-999の法則-」 【「一筋縄ではいかないってのは、こういうことさ。】 もちろん本作は、そんな浅知恵が通用するゲームではありません。 Bボタン1コで繰り出される「おはらい攻撃」をざっくり説明すると 確かに文面上では「接近攻撃+弾消し」という表現となってしまいます。 しかし、「おはらい攻撃」の特徴を説明すると、以下のようになります。 1.攻撃判定を持ち、敵弾を消すこともできるし連打も可能だが、攻撃力は弱い。 2.一撃で倒せない敵を「おはらい攻撃」した場合には、自機が押し戻される。 3.判定は前方180度にしかない。 4.「おはらい攻撃」モーション中は、移動することはおろか、方向転換することすら不可能。 つまり、攻撃力が弱くてスキもでかい接近攻撃で わざわざ敵を倒していくメリットは無いワケですね(ただしマゾプレーは除く)。 ついでに言っておくと、「〜謎の黒マント」は 敵さんが全方向から襲い掛かってくるので、 闇雲な「おはらい攻撃」の連打は、ただの自殺行為でしかなかったりします。 そういうワケで、攻撃手段は「おふだ攻撃」こと 通常ショットが主体となっていくワケです。 「おふだ」で攻撃しながら、敵の攻撃を的確な方向とタイミングで「おはらい」する。 そして、自機の移動と「おはらい」では対応できない高速攻撃には「すべりこみ」で緊急回避。 これが「〜謎の黒マント」の基本プレースタイルであります。 と、アタマで理解しても なかなか思い通りに敵を倒せないのが、本作の恐ろしいトコロ。 プレーしてても特に気にすることは無いかと思いますけども、 「〜謎の黒マント」の通常ショットが 一般的なシューティングゲームのそれと決定的に異なる部分は、 常に自機が向いている方向へショットを発射することであります。 そして、この違いが地味にショット攻撃を当てにくいという現象を生み出しており、 さりげない難易度上昇に一役買っていたりします。 些細なことではありますが、自機が向いている方向にショットというシステムには 敵を狙い打つ際に、自機を敵と同軸に合わせる→敵に向かってショットするという 2つのステップを踏まなければならない特徴があります。 ![]() マルで囲んだ敵を攻撃しようとする。 ![]() 通常のシューティングゲームなら地形障害物も無いですし、ショット方向が常時固定されてるから自機を移動させるだけで済みますが…… ![]() 本作では、地形を踏まえたうえで軸を合わせ、さらにその方向を定めてショットしなければならない。 もちろん敵さんも移動しているワケですから、 軸を合わせる→方向を定めるというステップを踏んでいるうちに 軸をズラされてしまうことも日常的に多々起こるワケですね。 この小さな特徴が、もっともその恐ろしさを発揮するのは 大量の敵がだばだばと同時に出現するシーン。 ![]() たとえばこんなの。次々と敵さんが自機に向かって高速突進してきて泣きそうになる。 ありとあらゆる方向から現れる敵さんたちを、 確実に撃ち落していかなければならない日には 「おねがい神様。どうか私に砲身固定ボタンをください。」などと 甘ったるいポエムをつぶやいてしまうこと間違いナシ。 もちろん、そんなものありません。 ![]() 砲身固定ボタンは無いけども、ある箇所を撃つと七福神さまがアイテムを落としてくれる要素はあります。 (本文とはまったく関係のない巫女さん200人ナマ着替え動画) 【いのちだいじにいこうぜ。】 〈おことわり〉 いまさらですが、「奇々怪界 謎の黒マント」とタイトル全てを表記するのが面倒だったので 本作の名称を「〜謎の黒マント」と呼ばせていただいておりましたが、 それも面倒になってきたのでさらに省略して、以下より「〜黒マント」と呼ばせていただきます。 さきほど「照準を合わせにくい」「砲身固定ボタンが無い」という理由で ショットが当てづらいといいましたけど、 「〜黒マント」の自機ショット性能そのものは高性能であります。 連射ボタンを押しっぱなしにすることで 途切れなくシュパパパパパと気持ちよく発射してくれますし、ちゃんとパワーアップもしてくれます。 用意されているパワーアップは、「直線型」と「拡散型」の2種類がございます。 どちらがオススメかと言われれば、有無を言わさず「拡散型」をば。 攻撃を当てにくいうえに、できるだけ早く敵を倒していかなければならない本作では、 まず通常クリアを目指すためにも「拡散型」をオススメします (「直線型」はHARDモードをやりこむ過程で真価を発揮しますので、そこはご安心下さい)。 ![]() ショットは高速点滅しているので、静止画では伝わりにくいフルパワーアップ状態。これで鬼に金棒、なのだが……。 しかし、ここで安心してはいけません。 「〜黒マント」は、ダメージを受けると せっかく強化したショットがパワーダウンしてしまう仕様なのであります。 そこでプレーヤーは、 ショットの当てづらさを解消するためにパワーアップしたことを 維持していかなければならなくなります。 ライフ制でありながらも、アンド強力なショットを与えられながらも それを維持していなかければならないゲームデザインとなっているワケです。 事実、ゲーム道中で手に入るのは、半数以上がパワーアップアイテムだったりします。 回復アイテムが少なくて、ショット性能が弱体化していくことが不利になるバランス上、 本作では、ショットパワーを維持していくことが重要なのです。 パワーアップアイテムが回復アイテムに思えてくるくらいにです。 そんなプレーヤーを抹殺すべく襲い掛かってくるのが、 異なる攻撃方法を持つ敵キャラの同時攻撃。 ザコ敵さんたち単体の攻撃自体は、基本的にぜんっぜん大したことではないのですが、 それが掛け合わさると、不思議なことに凶悪化していくのです。 ![]() 恐怖の4種同時攻撃なステージ2後半。空と水中からの攻撃なので、「人間ナイアガラ」とでも命名しよう。 ほれほれ、「ジョジョの奇妙な冒険」でもあるじゃないですか。 たいした能力を持たないスタンド使いがタッグになることで とてつもなく強敵になるっていうシチュエーションが。 まさに、あの感覚です。 全方向から襲い掛かってくる敵さんの ツーマンセル、スリーマンセルの恐ろしさに立ち向かっていかなければならない。 しかもショット性能を維持しながら。 それが「〜黒マント」が高難易度と言われる理由であります。 (本文とはまったく関係のないCM) 【死ぬ+覚える=強くなる】 その他にも、本作全体の難易度を吊り上げる要素は、 あちこちに陰を潜ませております。 ひとつめー。 通常のゲームならば「突発死回避」や「苦手な場面でのやりすごし手段」として プレーヤーに一時的ながらも絶大な恩恵を与えてくれる みんな大好きボム攻撃が、あまり強くないコト。 ボムを使ったら、数秒の間は無敵モードになって、 画面全体をバリバリギャリギャリと一掃してくれることを期待しちゃうものですが、 本作のボムこと「じゅつ」は、さにあらず。 一瞬だけズギュゥン!と発動するだけでボム効果時間は極めて短く、 ピンチ状態に陥ったプレーヤーを立て直すチャンスと 精神沈静効果を与えてくれるものではありません。 たしかに「じゅつ」自体には、最大瞬間風速的な攻撃力は持っているので、 ゲーム後半のボス戦なんかでは、ここぞの一撃!としては役立ちます。 されど、最大ストック数が3と少なく、 なおかつ死亡復活時にボムストックが補充されることも無いので、 使いどころはひっじょーに難しいのが実情だったりします。 ![]() ほんっとに一瞬しか効果がありません。 ふたつめー。 エクステンド(いわゆる1UP)が存在しないというコト。 「〜黒マント」は、全編通してかなりハードなゲームバランスなので、 1回限りの非エブリエクステンドが用意されててもおかしくはないのですが、 それすらも用意されておりません。 強いて言うならば、序盤であるアクションをすると1UPアイテムが出現するのですが、 あくまで隠しフィーチャーなので、 本作で残機アップは存在しないだと捉えるのが、本来のゲームバランスでございます。 ![]() ゲーム内でのエクステンド機会は、たったこれっきり。 みっつめー。 ゲームオーバーからのコンティニュー復活が事実上機能しない 漢(おとこ)らしすぎる仕様であるコト。 「〜黒マント」の自機はライフ制であると前述しましたが、 このライフ、ステージクリアするたびに ライフ最大値が1ずつアップしていきます(初期値は4、最大値は8)。 ![]() ![]() (左)ゲーム開始直後。 (右)アブフレックス使用開始2週間目。 んが、せっかくビルドアップしたライフ最大値も、 コンティニューすることで帳消しにされ、ライフ上限が初期値に戻されてしまいます。 つまり、コンティニューすることで 通常プレーよりも難易度がアップしてしまうのです。 使いどころが難しく、死亡時にも補充されることの無い「強くないボム」。 「エクステンドが存在しない」残機ストックの重み(ちなみに全3機)。 そして、コンティニューすることが不利になる「事実上コンティニュー無し」システム。 キツイです。 ハッキリ言って、もンのすごくキッツイ仕様です。 ですが、これらの仕様を「悪質陰険」と取るか「硬派上等」と解釈するかは人それぞれ。 いずれにしても、間違いなくひとつ言えることは、 これらの仕様は、製作サイドの意図するものだということです。 「ゴリ押し不可能なゲームバランス」という名の下に 構築+計算された仕様なのであります。 ちなみに「〜黒マント」には、理不尽ダメージを受けてしまう場面は存在していません。 どいつもこいつもが、 反射神経を必要としない「見てから避ける」タイプの攻撃なのです。 ![]() 唯一の例外とも言える、最凶最悪なステージ5ボス。ショットパワー温存+ボム連打が王道攻略法ではあるが……(詳しくは後述)。 こんなゲームですから、 プレーヤーがエンディングまで到達するために必要なのは、 死んで死んで死にまくって、強烈な攻撃にブチキレて一時挫折しながらも、 とことんプレー回数をこなしていくことなのです。 〈よもやま話〉ライフ上限値リセットは何のためにあるのか?
コンティニューが「残機物量作戦でゴリ押しする手段」ではなく、 「ゲームオーバーになったステージの練習プレー用」であることが理解できるハズ。 (※机上の理論値たる所以は、ライフ最大値が多いほど全回復アイテムの効果がデカイから) ある者は、それを「覚えゲー」という表現で切り捨てるかもしれません。 ですが、高難易度を誇る本作においては、 力技的なプレーやアドリブ要素を排除していくことが 最も確実な攻略手段なのであります。 時にプレーヤーは「死んでしまう理由とは何か」に頭を抱えるかもしれません。 それでも諦めてはいけません。 敵の攻撃を観察し、理解し、そして「死なないための方法」を自分なりに構築することで 僕らは確実に強くなっていくのです……! ![]() 正攻法で戦うと強敵。だけどチキン戦法を使えばゲーム中際弱ボスと化すステージ4のボス。 その過程は、高難易度アクションシュティングゲームというよりも、 むしろリソース運用型パズルゲームと呼ぶ方が相応しいでしょうか。 プレーするごとに、製作者と知恵比べするかの如く 少しずつ前進していく楽しさが味わえるのです。 当時のアーケードゲーム好き職人集団ことナツメの思想は、 紛れもなく本作に詰め込まれており、 職人の名に恥じない珠玉のゲームバランスは、 とても20年前のゲームとは思えない面白さが炸裂しております(断言)。 そんな魅力が凝縮された「奇々怪々 謎の黒マント」を、 昔のゲームとバカにしないでプレー+クリアしてみて欲しいと心から願う次第なのであります。 1クレジットでクリアできなければ、そいつはクリアとは呼べませんよね? 〈余談〉 本文中では言及しませんでしたが、 本作のマップ構造もまた、そのゲーム内容に彩りを添えております。 蛇足ながら、個人的主観に基づく「地形名場面」を挙げておきます。 ![]() 画面中を縦横無尽に飛び回るステージ3ボス。「すべりこみ」を使わないと火の玉を回避できないけど、左右にはガケが。 ![]() 横移動が封じられたつり橋上での戦いを強いられるステージ4道中。 ![]() ステージ5のボスが凶悪な理由はダメージ床にあり。…でもじつは安全地帯があったりします。 ![]() ネタバレ上等のラスボス。ボス戦終盤では、壇上中央部の小さなでっぱりが、じつは間接的なワナとして機能します。 ![]() さりげにイチバンのお気に入りなステージ2中ボス。右には川、そして切り株。なのに左上には全回復アイテムという配置に悶絶。 |