龍騎兵団ダンザルブ
RPG 93.4.23発売 ユタカ
アナタはゲーム中にこんな経験はありませんか? 「究極の魔法」を手に入れたら、すっごく弱かった。 「世界最強の戦士」を仲間にしたとき、自分のほうが強かった。 おかしいと言えば、たしかにおかしい。 でもゲームではそれが許されます。 それがお約束だからです。 ロボットもののRPG、「龍騎兵団ダンザルブ」でも同じ現象がおこります。 物語上ではすっごく強いハズの人が実際はあんまり強くないンですね。 時は近未来。 地球は2つの国家に分かれていた。戦争もしていた。 兵士訓練学校の一生徒が主人公。 そんな平凡な主人公ですが、なぜか父親が軍隊の命運を握ると言われる スーパーロボットのエンジニアゆえに敵スパイによって殺害され、 さらに母親と妹が敵軍に拉致されてしまいます。 まったく絵に描いたかのような不自然な不幸の連続です。 その後いきなり、主人公はエリート兵集団「ダンザルブ」に配属が決まります。 本当に強引です。 物語上では「ダンザルブは最強の軍隊」とか言われてますけど いざゲームとなったら、これがたいして強くありません。 エリート兵の集団とか言ってる割には、みんなレベルが10以下だったりします。 さらには、へっぽこ主人公がゲーム開始2時間後には 「君も立派なダンザルブの一員だ」とか言われる始末。 とにかく、すべてがご都合主義で展開していきます。 肝心のゲームの内容についてですけど、簡単に言うと「ロボットモノのRPG」です。 キャラクターデザインしてるのは、 「新世紀エヴァンゲリオン」で有名(脱税したのでも有名)なガイナックスです。 はい、かなり良さげに聞こえますね。 でも、ガイナックスらしさを感じることは微塵もありません。 とりあえず「フツーのロボットモノのRPG」としてプレーしたほうが無難でしょう (テレビCMアニメは、ガイナックスが製作していたことで話題になったそうですが)。 このゲームのテーマは「バーチャルリアリティ(仮想現実)」とのことですけど、 そんなテーマも全然感じることができません。 このゲームをプレーしたことのある人は、みんな口をそろえて「ク○ゲーだ」って言ってましたし。 んじゃ、どうしてここで紹介してるのかといいますと、 やっぱりシナリオの内容がいいから、です。 前にも同じようなことを言って紹介したゲームがありましたね。 物語は全部で15話あります。 13話まではけっこうフツーな展開です。 でも、それを乗りきったら死ぬほど面白くなってきます。 ここでやっとこさ「バーチャルリアリティ」が関係してくるンですよ。 前置きが長いですね。 死ぬほど面白くなってくる物語の終盤には、 「最強の戦闘集団」がレベル1ケタだったり、 スーパー強引な物語展開やご都合主義などのすべてが 納得できる仕掛けが用意されているンです。 俺はその仕掛けのスゴさに腰抜かしました。 そのときの俺を見たら、おそらく阿呆の面をしていたことでしょう。 まあ、そのくらいスゴかったワケですよ。 それがどんな仕掛けかというと・・・知りたい人はプレーしてください。 今なら500円以下で手に入りますから。 このゲームを作ってるのは 「パンドラボックス」というソフトハウスです。 最近プレステで1,980円のゲームをリリースしている会社、 といえば思い当たる人も多いンじゃないでしょうか。 ここの社長の飯島健男氏は、 「マクドナルドがハンバーガーの価格破壊を起こしたように、 うちの会社もゲームソフトの価格破壊を起こすッ!」と言ってる過激な人です。 さらに格安ゲームを作るために、 自分を含む社員の、1ヶ月の給料をたったの15万円にしたそうです。 恐ろしい人です。 この「龍騎兵団ダンザルブ」の中で、飯島社長は 「理不尽な現象が暗黙の了解になっているゲームに、ケンカを売っているンだッ!」 と叫んでいるような気がします。 |