BUSHI青龍伝〜2人の勇者〜

RPG 97.1.17発売 T&Eソフト



  何を隠そう、この「BUSHI青龍伝」は、
 あの「ポケモン」を開発したソフトハウス「ゲームフリーク」が製作しています。
 このゲームの存在を知ったとき、「必ずプレミアがつくッ!!」と直感しました。
 このゲームが発売されたのは、
 世界の「ポケモン」がブレイクしはじめたころだったからです。

  しかも、「BUSHI青龍伝」発売されたときは、
 スーパーファミコンの次世代マシンである「ニンテンドウ64」もすでに発売されていました。

  中身の少ないマイ脳ミソは考えました。
 「ポケモンは今後、さらにブレイクする
 「開発元がポケモンと同じ
 「キャラクターデザインも、
ポケモンと同じ杉本健氏」
 「スーファミ末期のソフトなので販売本数が少ない
 したがって・・・。
 「必ずプレミアつくぜ、グヘヘ・・・。」

  そりゃあもう、迷わず買いましたわよ、「BUSHI青龍伝」。
 将来プレミア必至のこのゲーム、どんな内容なのかを紹介しましょう。

  舞台は古代日本なんですが、
 「ポケモン」と同じく物語は存在しないに等しいので省略。
 肝心のゲームの目的は、ポケモンじゃなくって「勾玉」を集めること。

  敵との戦闘は「自分が1回行動すれば、敵も1回行動する」ようになっています。
 敵の出現パターンはあらかじめ設定されているので、「詰め将棋」みたいな感じです。
 さらに「何手以内に敵を倒せ」といったように
 目標も設定されています。う〜ん、まさしく詰め将棋。

  その指定された目標よりも少ない手数で敵を全滅させることができたら、
 指定よりも少ない手数分、勾玉がもらえるワケです
 (たとえば「10手以内に指定された場合に6手で敵を倒せたら、
 勾玉が4個もらえる」という具合に)。

  ・・・これがハマります。
 「詰め将棋」なんて聞くと、拒絶反応を起こしそうになるかもしれませんが、
 なんとかなります。ホントに。
 だって、スペシャル級に将棋が下手な俺がなんとかなったンだからさ。

  パズル性と「勾玉」という報酬が、
 いい具合にアメとムチになっていて、かなり中毒性があります。
 とにかく「いかに少ない手数で敵を倒すか」に燃えます。
 「ポケモン」にある収集の魅力と
 「詰め将棋」のパズル性が見事に融合しててナイスです。

  プレミアのつくゲームの条件として
 その希少価値よりも、「ゲームとして面白いこと」というのが挙げられます。
 この「BUSHI青龍伝」は、
 希少価値だけでなく、ゲームとしての面白さ
 そして「ポケモン」の製作スタッフが手掛けたという付加価値もあります。
 もう、プレミアのつく条件完全に満たしております

  以前、ファミコンのゲームで
 定価の5倍以上の値段が相場になったソフトがありました
 (そのゲームのタイトルは「メタルスレイダーグローリー」。
 2000年末にスーファミ版でリメイクされ、ローソンで書き換えが始まりました)。
 きっと「BUSHI青龍伝」も、それくらいプレミアがつくと信じています。
 箱と取り扱い説明書がついてたら、
 さらにプレミアがつくことでしょう。

  そうそう、
 先日、たまたま行った中古ゲームショップでこのソフトを目撃しました。
 え?「プレミアはついていたか」って?

 「BUSHI青龍伝新品1980円

 ダメじゃん・・・。

 



  上の文章を書いてから約2年。
 ネットで「BUSHI青龍伝」を調べてみた結果、当時と比べてけっこう多くの件数にブチ当たり、
 
真のエンディングを見る方法を知ったので、再びプレーしてみることにしました。
 その際、内容の細部はおろか、ゲームの後半部分は
すべて忘れていたことも手伝って、
 全身ドップリで思いっきりハマってしまいました。

  前回プレー時には、RPGの基盤ともいえるストーリー部分よりも
 ゲームシステムの完成度の方が圧倒的に優れていたので、
 僕の記憶の中では「BUSHI〜」の物語はどうでもいいって感じてましたけども、
 あのね、改めます。
 「BUSHI〜」のストーリーは
泣けます

  物語の内容は、
 世界の海と陸地を司る「海の兄神」「山の妹神」の
兄妹ゲンカから始まった争い
 という
すごく簡単な説明で片付けられますが、
 ここではせっかくなのでもうチト詳しく説明していきましょう。

  えーと、物語の舞台は古代日本。
 神話と歴史がごっちゃまぜになったような世界です。
 そこで、10年前に
海の兄神VS山の妹神の戦争が行われました。
 この戦争こと兄妹ゲンカが始まった理由というのが、兄のしょーもない
嫉妬からなのですが、
 それが「自分の作り出した海には、人間のような生物がいない。
 原始的な生物ばかりで、暗く静寂に満ちた世界だ……。
 明るい太陽も、豊かな緑も、様々な生物たちも、すべては大地にいる……」(説明書より抜粋)というものでした。
 で、兄神は地上を自分の世界にすべく、嫉妬=悪の力から生まれた魔物を率いて侵略してきます。
 それに対して妹神サイドは、
 「青龍」「朱雀」「白虎」「玄武」の名を持つ勇者「武四(ブシ)」を味方に戦うワケです。
 それでも妹神は兄神のジェラシーパワーに屈し、おまけに武四(ブシ)はあっさり殺され、
 世界は魔物が徘徊するRPGの前提条件になってしまいます。
  ちなみに主人公の少年
ジンは、武四(ブシ)の唯一の後継者であり、
 そのうちのひとり青龍の息子でございます。
 つーコトで主人公ジンは、兄の海神にリベンジすべく立ち上がるという伝説を築き上げるのです。
 武四(ブシ=
BUSHI)の青龍の息子の説ということですね。

  そんな主人公ジンがリベンジに旅立って数分後、
 ジンは
小犬の頭に羽が生えたような
 
ポケモンのできそこないみたいな魔物と出会います。
 そいつと会話をしてみると、
ヲクウという人間の少女だったそうで、
 ムリヤリ魔物の姿に変えられてしまったとのコト。
 ジンは、兄神にリベンジする
ついでにヲクウを人間の姿に戻してやるハメになります。
 こうしてジンとヲクウの
二人の勇者の旅が始まる、というハナシです。
 なるほど。

  さてさて、先程「BUSHI〜」の話は泣けると言いましたけども、
 その要因はすべて
ヲクウにあります
 つーか物語の内容は、兄神を倒すことよりも
 
ヲクウを元の姿に戻すという方に重点が置かれています。
 ヲクウはムリヤリ魔物の姿にされてしまい、そのことを辛いと思っていますけども、
 それを感情のオモテに出さない
とってもイイ奴です。
 たとえば
 「恥ずかしいから見ないでね。あ、でも魔物だから別にいいや」とか、
 「この姿だと仰向けに寝れないのよね」とか楽観的にヤケクソ気味なことを言いながら、
 たまに「本当の姿のわたしはカワイイのよ」とか言ったりします。
 
涙が出るほどイイ奴です

  旅の道中でも、ヲクウはジンを全面的にサポートしてくれます。
 「BUSHI〜」のゲームとして要である戦闘シーンの
勾玉集めでも、
 
ヲクウの協力なしには語れません
 「BUSHI〜」の戦闘シーンでの最大のウリとして、
 その戦略性を生み出す様々な行動選択肢があるのですが、
 より多くの勾玉を得ようと思えば、ヲクウの持つ力は必要不可欠な存在なのです。
 それを証明するかのように、
 物語中盤ではヲクウと離れ、ジンひとりで戦わねばいけない場面もあり、
 否応がなしに苦戦を強いられることになります。
 そのイベントは、まさしく
 
ヲクウのありがたみを最大限に引き出すための演出
 と言って過言ではありません。
 
戦闘でもイイ奴なんですね

  でも
ヲクウは魔物なので、旅先でさんざん迫害されます
 あげくの果てにボコボコにされて
殺されかけます
 すでにヲクウを死んでいると思い込んでいる父親と再会しても、
 魔物になった姿を見せるのが嫌だから
正体を隠し通したりもします
 だからこそ、ヲクウはますます元の姿に戻ろうとするワケです。
 その過程で、元の姿に戻る為のクスリを作るイベントなんかも起こるンですけども、
 ヲクウは
魔物としての能力がジンのためになるということを知っているので、
 そのクスリを魔物になってしまった他の人に譲ったりして
後悔したりもします。
 
本当にイイ奴です
 
  そんなこんなで紆余曲折ありながらも物語はラストに突入し、
 ジンとヲクウは、ラスボスこと海の兄神と対峙するのですけども、
 宿敵・兄神を倒してエンディングを迎えても、
 ヲクウは
けっきょく元の姿には戻れません
 
泣けます
 
とことん泣けます

  しかし
真のエンディングでは、ヲクウが人間に戻るということが判明しました。
 こうして「ヲクウを人間に戻そう計画」=真のエンディング目指して再チャレンジ、に至ったワケです。
 真のエンディングを見る条件、
 それは
勾玉を1300個ゲットしてクリアするであります(普通にクリアするなら800個)。

  より多くの勾玉を得るためには、要するに敵を効率よく倒せばオッケーなのですが、
 そのためには高度な戦術が要求されます。
 高度な戦術とは、敵の特徴や行動パターンを理解し、
 それに応じて20種類以上もあるアクションを使いこなすことですが、
 いちばん重要なのは、じつは
ヲクウのレベルを上げまくること
 
(ヲクウはレベルが上がりにくいが間接攻撃ができるので、レベルが上がるとそれだけ有利になる)。
 つまりヲクウに対する
こそが真のエンディングにもっとも必要なものだといえます。
 この際、神の戦いがどうだとか、武四(ブシ)としての宿命だとか、
もうどうでもいいです。
 
すべてはヲクウのために
 これが真のエンディングを、ヲクウの可憐な姿(想像)を拝むための合言葉です。

  かくして迎えた真のエンディング。
 人間に戻ったヲクウとついにご対面!
 気になるヲクウの真の姿とは・・・ッ!!



  
萌えた




  さぁ
ロリコン諸君
 キミも真のエンディングを目指そう!!