スマッシュTV 

アクション  92.3.27発売  アスキー


  「スマッシュTV」はアメゲーでございます。
 アメゲーといえば、なんかよくわからンけどブッ壊れた内容のものが多いですけども、
 「スマッシュTV」の
ブッ壊れっぷりも最高です
 バックストーリーの内容からして、すでにブッ壊れているからです。


 1999年、ありとあらゆるバラエティー番組に飽きてしまった視聴者のために誕生した番組。
 それが「スマッシュTV」。
 この番組は視聴者が参加し、さまざまな武器を駆使するサバイバルゲームだ。
 このサバイバルに生き残ることができた参加者は
 
巨万の富を手にすることができる。
 だが、生き残れなかった参加者に待っているのは
だけである…。


  その昔あった「風雲たけし城」が、可能なかぎり過激になったら
 おそらくこんな番組になるのでしょう。
 
金のために命を賭けて、そのサバイバルっぷりを放送するという番組。
 それが「スマッシュTV」だ!
 さすがアメリカ!
 過激なことはいいことだ!


  「スマッシュTV」トップビュータイプの固定画面型アクションゲームであるが、
 そのルールはいたって
単純である。
 
殺られる前に殺れ!以上ッ!
 そんなルールと同様に、操作方法もこの上なく単純。
 十字キーで参加者こと主人公を操作し、A、B、Y、Xボタンで銃の乱射。
 各ボタンに銃の乱射方向が設定されており、
 スーファミのボタン配置どおりに乱射する操作システムなので、
 このゲームを初めてプレーする人でも、
3秒で理解できる仕組みであります。




  ゲームがスタートすると、
 司会者のいるスタジオから「スマッシュTV」の舞台に行きます。
 すると、角材を持った暴徒どもが四方からワラワラとやってくる。
 しかも一気に20人くらい。
 主人公は、銃を乱射して暴徒を
片っ端から殺戮していきます。

  しかし、いくらでも暴徒はやってきます。
 とにかく殺戮。
 また暴徒が現れる。懲りずに殺戮。
 舞台上に突如現れる金塊やら札束に家電製品、
 クルマにジェット機に、ビーフやらゲームソフト(「スマッシュTV」)をゲットしつつ、
 たまに出現するショットガンやらロケットランチャーを拾い、そいつをブッ放してとにかく殺戮。
 敵が全滅するまで殺戮しまくったら、次の部屋に移動。
 また新たな暴徒が
湧いてくるので殺戮。
 殺し尽くしたら、また次の部屋へ…。
 ボスのいる部屋にたどりつくまで、
ひたすらこれを繰り返すだけです。
 最初のステージだけで何人くらい殺してるのか数えてみようと思ったけど、
 その行為が数秒でアホらしくなるくらい殺しまくり(推定5000人)。
 さすがアメリカ!
 多いことはいいことだ!

  道中には、ビッグマネェーやらビッグライセェンスが
 これまで以上に大量に出現するボーナス部屋が存在し、
 そこでは画面いっぱいにアイテムが出現し、大量にゲットすることができます。
 さすがアメリカ!
 ビッグなことはいいことだ!
 されど、そこはアメリカ。
 ボーナスの嵐が去ったあとには、
これまで以上に暴徒どもが出現し、
 
ブッ殺される率がアップする仕掛けとなっております。
 サクセスストーリーに波乱万丈はつきものだ!

  それにしても、このゲームの恐ろしいところは、
 
狂ってるとしか思えないくらいの大量の敵・アイテム・銃弾が画面内に溢れ返っても、
 まったくと言っていいほど
処理落ちしないこと。
 さりげにすごいよ、アメリカ!




  さんざん殺戮を繰り返すと、いざボスとの決戦となります。
 ステージ1のボスはミュートイドマン。
 もちろん皆様の期待通りに
アメリカ〜ンな容姿でございます。
 まず、
下半身が戦車
 そして
マッチョ
 おまけに
ハゲ
 最高です。
 屈強な外見そのまんまなので、通常攻撃は効きません。
 画面上に現れる殺戮兵器を装備し、奴にブチかますのだ!
 

  しかし相手は、メリケン魂の権化。
 僕たちジャップの価値観をおもいっきり
デストロイしてくれます。
 なぜならミュートイドマンは、
なかなか死なないからである。
 たかがステージ1のボスのクセに通常攻撃が効かない
 (ランダムで出現するアイテムを拾って応戦しなければならない)のは大目に見たとしても、
 奴は
マジでありえンくらいの驚異的な耐久力を誇っているのでありますがな。
 その耐久力、如何ほどかと言いますと、
 おそらく100人中100人が「
…コイツ、いつ死ぬの?」と疑問に思うほどなのであります!
 さすがアメリカ!カタイことはいいことだ!

  やっとこさ倒した!と思うのも束の間、
 ミュートイドマンの
片腕を破壊しただけに過ぎず、まだまだ戦いは続きます。
 で、両腕を破壊できたら、第2形態に突入ッ!
 それでもメゲずに攻撃を続けると、
頭部がバクハツだ!
 (このバクハツ効果は、
ある意味必見。僕らの常識を超越した演出効果を体感できます)

  ところがどっこい、頭部を破壊されても
奴は死なないので
 
胴体とキャタピラだけの第3段階へ。
 あんたはデスピサロか。
 今度は高速移動でプレーヤーを踏み潰しにやってきます。
 「胴体部も破壊した!」と思ったら、奴は
何故か脱ぎます
 マッチョな裸体は確かにセクシーかもしれませんが、
肋骨剥き出しにするのは、
 さすがに
やりすぎじゃないですか?
 しつこい!ハッキリ言ってしつこすぎる!

  
半ば投げやりモードで胴体部分を破壊し続けてると、
 今度は
新しいハゲ頭がキャタピラから生えてきて、高速移動+ビィーム攻撃で襲いかってきます。
 そんなキャタピラハゲニモ負ケズ攻撃しまくっていたら、やっとこさジ・エンド。
 
と思ったら、爆発しながら暴れまわり、
 それに巻き込まれたらやっぱりプレーヤーも殺されてしまうという
最後の最後のオマケつき
 …アメリカ、恐るべし。




  本作は全4ステージから成り立っておりますが、
 ステージ2あたりから、その鬼(オーガ)のようなゲームバランスに
 たいていの人は打ちのめされてしまいます。
 なぜなら、道中に出現する暴徒どもが、
殺しても殺しても湧いてくるからです。

  ワラワラと現れるザコ敵のほとんどは一撃で倒せるものの、
 怒涛の如く現れるエネミーィどもの前(
=物理的な数量)には、通常武器の火力では殺戮が追いつかず、
 いくら
大量殺戮サイコー!な思想を以ってしても
 
撃ち負けてしまうほどの怒涛の大群がやってくるのです。
 次第にプレーヤーは、暴徒の集団に画面隅まで追い込まれタコ殴りにされて死亡、というワケです。
 強力な武器を使えば
なんとか応戦できるものの、弾数制限があるうえに出現がランダム。
 おまけにアイテムが出現するのは画面中央部なので、
 いちばん危険である画面中央部で応戦することを、遠まわしに要求されているのです。
 なめとんのか。

  敵の数に対して、圧倒的に
非力なプレーヤー。
 したがって、本作をクリアするための近道は
2人同時プレーであります。
 単純計算で
火力は2倍。すなはち殺戮っぷりも2倍
 クソ単純なルールのおかげで、一見様もマッハでこのゲームを理解!
 そして2人して大量殺戮を満喫するのだ(接待ゲームとしてもかなり重宝いたします)!
 常に死と隣り合わせの状態で、
 
暴徒やら人間戦車やら自爆男によくわからん殺人兵器をブッ殺し+ブッ壊しているうちに、
 僕らは「テトリス・ハイ」と呼ばれる
恍惚状態に似た症状にトリップできるはず!
 そう、本作は
殺戮数が敵数を下回らないようにすることが目的の「処理ゲー」なのです!
 脳汁出るよ、ホントに。



  …こんなゲームです。「スマッシュTV」。
 とにかく
乱射。ひたすら殺戮
 ちなみに本作の敵はミュータントらしく、
 「人間じゃないから人権ナッシング=
殺してオッケー!」という設定になっています。
 さすがアメリカ!
 わかりやすいことはいいことだ!



 補足:ちなみにこのゲーム、1人プレーでもクリアは不可能ではありません。
  1人プレーの基本戦術は、
  「オプションを切らさないために画面の左下で戦う」こととであります。
  敵の攻撃が上、左の2方向に限定されることでオプションが温存でき、
  かつナナメ撃ちしやすい(左上に撃つより容易)ことが挙げられます。
  あと、耐久力の高い敵は優先して倒すことを心掛けましょう。
  ラスボスは司会者だ(ステージ1のボスと上半身が違うだけ)!
  気合と根性でスマッシュするのだ!!


 余談:ちなみに、もともと本作は米国のアーケード作品だったそうで、
  「ショットはキャラが向いている方向に発射」という操作システムだったそうな。
  後に発売されたゲームギア版では、
  ボタン数の制約上、まんまこのシステムが採用された為、ク○ゲーと認定されました。
  スーファミコントローラー万歳。

 



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