ごきんじょ冒険隊
  96.5.24  パイオニアLDC




 





  ゲームとアニメのがったい。


 時は90年代半ば。

 その頃のスーパーファミコン世界の一部では、
 「
ゲームとアニメの融合」を試みる動きがあったように思います。
 もちろんそれは、スーパーファミコンのソフト容量ではとうてい
実現不可能なことでありながらも
 限られた制約の中、さまざまな手段を用いては
 部分的に「アニメのようなゲーム」をさりげに目指した作品たちが
 ところどころで産声を上げていきました。

 そんな中、ひっそりとスーパーファミコンに参入した
 「
パイオニアLDC」なるソフトハウスもまた、密かに同じようなことを試みておりました。
 しかし、このソフトハウスからリリースされたソフトでは
 
少し変わったアプローチ方法が用いられていたのです。

 「アニメのようなゲーム」と聞くと、
 「
セル画っぽいグラフィック」「1枚絵のカットイン使用」、
 「
細かなキャラパターン描写」「声優のサンプリングボイス」などの
 
映像・音声方面でのアプローチ方法が思い当たります。
 ところがどっこい、スーパーファミコンという枠の中でパイオニアLDCが採ったのは、
 「
アニメの脚本家にゲームシナリオを担当させる」というものでした
 
(パイオニアLDCはプレステ時代に入ってから「ゲームとアニメの融合」を本格的に実現させることになります)。

 そんなパイオニアLCDがリリースしたスーパーファミコンソフトは、
たったの2本
 1本目は、後にプレステでリメイクされて続編もリリースされた
 個人的に愛してやまない渋シミュレーションRPG「
バウンティソード」。
 そしてもう1本は、今回のネタこと本作「
ごきんじょ冒険隊」でございます。

 
 
「バウンティソード」のシナリオを手掛けたのは、TVアニメ版「エヴァンゲリオン」の脚本を担当した人です。






  
つくったひとたちは、ごうかスタッフなのだ!


 
さて、今回のネタこと「ごきんじょ冒険隊」に関わった面々ですが、
 じつは
けっこう豪華なスタッフだったりします。

 シナリオ執筆+総指揮は、
 後に「ガンダム00」を手掛けることになるアニメ脚本家こと
黒田洋介
 そして氏の率いるプロデュース集団「
スタジオオルフェ」が製作担当。

 キャラクターデザインは、唯一無比のほんわか線を描くマンガ家:
須藤真澄
 (2013年時点で、コミックビーム誌に掲載されてる「庭先塩梅」は面白いので読むべし)。 

 音楽を担当したのは、「ワンダープロジェクトJ」シリーズや「ミスティックアーク」などのENIX製ゲームを中心に
 幻想的で泣けてアツイ楽曲の数々を書いた故・
森彰彦

 そしてプログラミングは「バウンティソード」を製作したスタッフたちこと、
 
ITL(アイ・ティー・エル)社とMINT社。

 それぞれその名に聞き覚えがなくても、
 「
ごきんじょ冒険隊」には知る人ぞ知る的なスタッフが結集しており、
 その
渋めの顔ぶれ異色の組み合わせが、なんとも言えない味わいを醸し出しているのです。

 
 
開発元が同じということで、「バウンティソード」のソードさんのポスターも……






  へいわのために、たちあがれ!


 そんな「ごきんじょ冒険隊」、
 どんなゲームなのかを紹介した動画がYouTube上に存在しております。
 百聞は一見にしかず。
 とりあえずご覧下さいませ。

 
 
動画を貼るだけで紹介できるなんて便利なことこの上ないですね、はい。


 動画上では「
かわいいだけのRPG」と自虐的に一蹴されておりますが、
 
その内容はさにあらず
 RPG百花繚乱だったスーパーファミコン時代の中でも
 
かなり際立った独自性を誇るRPGに仕上がっております。

 「
ごきんじょ冒険隊」の物語は、
 幼稚園の年長組になった主人公
まなちゃんの前に
 とつぜん神さまが現れて「
ごきんじょの平和を守ってほしい」とお願いされる、
 
なんともミもフタもない導入だったりします。

 そこで、
まなちゃん
 毎週
月曜日から土曜日までは幼稚園に通いつつ、
 そして
日曜日はごきんじょで起こるさまざまな事件を解決すべく戦うことになるワケです。

 とは言っても、
子供だからこそ見える世界での冒険ですし、
 物語の世界は
ごきんじょでの出来事に終始してますので、
 平和のために戦うと言っても、相応に
スケールが小さかったりして微笑ましいこと請け合い。

 その内容は、「
クラスのガキだいしょうとのけっとう」にはじまり、
 「
こうじげんばのゆうれいをおいはらう」や
 「
おゆうぎかいで、いじめっことたたかう」といった具合。
 基本的に
ほのぼの路線幼児型ジュブナイルが爆発しまくりのシナリオが展開されるのです。

 
 
血で血を洗う「おゆうぎかい」のイベント。親御さんの前でいじめっこと戦うのだ!






  
ようちえんじは、いそがしい。


 
ごきんじょ冒険隊」のゲーム内容は、
 本作が発売された1996年の4月〜9月の半年間が舞台。
 
月曜日〜土曜日は幼稚園に通って「おべんきょう」をして、
 週末の
日曜日は、ごきんじょ冒険することで
 
さまざまな事件を解決していくというのがゲームの流れです。

 
 
「おべんきょう」は、いわゆる育成モード。「バウンティソード」と同じ効果音が使われてたりします。ティロリローン♪


 そんなこんなで、本作のメインになるのは、
 
毎週日曜日におとずれる「ごきんじょ冒険」パート
 まなちゃんのごきんじょを歩きまわって
 ごきんじょさんたちと会話したり、いろいろ探検したりしながら、イベントをクリアしていくのです。

 冒険の舞台となるごきんじょにあるのは、
 
お隣さん交番空き地やら公園といった具合。
 きっと
誰もが見たことがあるであろうスポット
 ごきんじょ内には数多く存在しています。

  
 
かくいう僕は、アスファルトの落書きや表記に惚れしました。


 ゲームのメインにあたる
日曜日「ごきんじょ冒険」パートでは、
 その名の通り、ごきんじょのあちこちを歩き回ることになります。
 ママからもらった
おこづかいを握りしめ、
 いろいろお買い物をしたり、事件を解決したりと、自由気ままに冒険するのです
 (イベントスキップすることも可能です)。
 その内容はRPGではありますが、いかんせんとにかく歩き回るので、
 
アドベンチャーゲームとしての要素が強い仕上がりとなっております。

 冒険の途中で遭遇する
戦闘も、ランダム制ではなくシンボルエンカウント
 各エピソード内で出現する敵の回数も原則的に固定されているので、
 「ごきんじょ冒険隊」の戦闘は、
すべてイベント戦闘だと考えて問題ありません。

 …と書けば、イベント戦闘=作業ヌルゲー戦闘というイメージを抱いてしまいますが、
 じつはなかなか、なんと本作の戦闘バランスは、
 
独創的かつけっこう歯応えのある難易度で、
 
通常のRPGとは一線を画したプレー感覚を与えてくれるシステムなのです。






 そのみをけずって、てきをたおせ!


 ごきんじょ冒険隊」の戦闘が、通常のRPGとは決定的に異なっているのは、
 
通常攻撃がほぼ無意味というゲームデザインです。
 通常攻撃の威力が、敵を攻撃する手段としては
あまりにも非力で、
 雀の涙程度のダメージしか与えられないのです。

 そんな
通常攻撃のかわりにダメージソースとなるのが、
 普通のRPGでいうところの魔法にあたる「
ひっさつわざ」という存在。
 こいつを発動することによって、敵にダメージを与えていくのです。

 ところがどっこい「ごきんじょ冒険隊」にはMPという概念が無く、
 「
ひっさつわざ」を発動するにはHPを消費することになります。

 
 
「ひっさつわざ」で敵をいてこませ!


 「ひっさつわざ」には、通常のRPGと同様に、
 敵にダメージを与える攻撃系の技以外にも回復系や補助系が存在しております。
 ですが、これらの「ひっさつわざ」を発動するのに必要な
HPの消費量
 困ったことに
かなりデカイのです。

 つまり本作の戦闘は、
 
攻撃担当のキャラ大量のHPを消費して敵にダメージを与え
 「ひっさつわざ」で
減ってしまったHPを他の仲間が回復するという
 一風変わった戦略が求められるゲームバランスに仕上がっているワケです。


 これらの戦闘をさらに面白くしているのが、
 
回復系の技かなりクセのある性能に設計されてるところ。

 たとえば、主人公:まなちゃんが最初から使える回復技「がんばれ」は、
 「
自分のHP30を消費して、味方全員のHPを45回復」という効果。
 序盤では貴重な回復手段であるこの技も、
 まなちゃん自身への効果は
差し引き15ポイントしか回復しないので
 自分への回復手段としてはほとんど意味がありません
 (「がんばれ」の強化版にあたる「がんばって」にいたっては、
 「自分のHPを100消費して、パーティ全員のHPを80ずつ回復させる」というもの)。

 冒険隊の回復役にあたるシクシクくんの回復技「フフッ」は、
 「HPを10消費して150回復させる」という一見は超便利技に見えるけど、
 
自分以外の誰かのHPしか回復させられないという縛りつき。
 さらにこのシクシクくん、
非常に打たれ弱いうえ
 ボス戦で必須のステータスUP系の技を使うのに大量のHPを消費するため、
 他のキャラクターの行動で、彼のHPをフォローしてやらなくてはならない仕組みとなっております。

 
敵にダメージを与えるためにはHPが必要で、
 それを
回復させるためにもHPが必要
 その一方で、敵さんは
問答無用で強烈な攻撃を繰り出してくる
 「ごきんじょ冒険隊」の戦闘シーンは、こんな感じで
 
じつにダイナミックなHPのやりとりが行われるワケです。

 そんな本作の戦闘は終了ごとにHPを全回復してはくれますが、
 言ってしまえば
毎回のバトルが全力投球
 ゲームバランスがキツめの序盤〜中盤までは
 
ザコ戦ですら緊張感のあるバトルを強いられるわ、
 ボス戦に至っては
敵の一撃一撃に怯えながら
 
「ひっさつわざ」を発動しなければならないわで、かなりのスリル感を味わえます。


 
 
ちなみに本作の戦闘シーンのBGMは、RPGの戦闘らしからぬノリが炸裂してて非常にカッコイイです。






  ようちえんじ、たがためにたたかう?


 歯応えのある難易度のバトルを要求される「ごきんじょ冒険隊」の戦闘でありますが、
 じつはこれらの戦闘、こなしたことで
得られる報酬は皆無に等しかったりします。

 敵を倒したところで
経験値が入ったりしません(経験値という概念がありません)。
 
お金が手に入ったりもしません(冒険隊の収入源は「おこづかい」です)。
 たまにアイテムドロップはするものの、そのほとんどが
 直接換金できない
カスアイテムばかりという始末。
 つまり本作の戦闘は、
密度の濃さに反して
 
わざわざ敵を倒すメリットがほとんど無いゲームデザインとなっているのです。

 
 
戦闘の意義に関しては、冒険初日のチュートリアルモードでも言及されておりますが……


 とは言えど、敵と戦わなければイベントが先に進まないのが実情。
 戦闘を強制的に終了させられる「
せっとく」という手段もありますが、
 パシフィックな名称とは裏腹に、実用的手段としてはハイリスクハイリターンな博打的手段
 (「せっとく」に失敗すると、そのターンはタコ殴り。しかも成功率は高くない)ので
 かかる火の粉は振り払う思想で、
暴力にモノを言わせるほうが結果的に安全策だったりします。
 暴力はいいぞ!

 そんなこんなで、「
ごきんじょ冒険隊」における戦闘は、
 
スリリングな中身に反して報酬が与えられないアンバランスな内容なのですが、
 この温度差こそが、本作の戦闘が「
イベント戦闘」たる所以でもあります。
 
全力で戦わなければいけないアツさ
 
戦闘そのものには成果が得られない無常さのギャップが
 
そのへんのRPGとはちょっと違った不思議なプレー感覚を与えてくれるのです。






  
いろいろやろうぜ。


 
本作には経験値という概念が無いので、
 
戦闘行為によってキャラクターが成長したりはしません

 キャラクターを育てる役割を担っているのは、
 月曜日〜土曜日に通う幼稚園での「
おべんきょう」こと育成モード。
 ですが、この育成モードはそこまでゲーム難易度に影響を与えるほどの
 ゲームバランスには設計されておりませんので、
 よっぽど戦闘特化型育成でもしない限り、ゲーム難易度にほとんど変化はありません
 (まなちゃんの育成パラメーターは、主にイベント発生条件に影響することになります)。

 それらを踏まえたうえで、戦闘を有利に進めるための手段が何かと問われれば、
 ズバリ「
装備を整える」の一言に尽きます。

 
 
戦闘中にランダムで登場しては、救世主的な強さを炸裂させてくれるサッカー仮面Jさま。
 
「こううん」パラメーターを強化させたり、「サッカーおまもり」の装備で出現確率がアップするので、これらの運要素を取り込むことすら重要な戦術のひとつとなる。



 ごきんじょ内には、いろんなアイテムが購入できる施設がそれはそれもう沢山ありまして、
 
商店街デパート駄菓子屋コンビニなどで
 いろんなアイテムが売られています。
 ゲームインターフェイスの都合上、これらのアイテムは
 
実際に購入してみなければ効果が確認できない仕様なのはちと不親切ですが、
 さまざまな場所でゲームを有利に進めるアイテムが販売されております。

 冒険中に買えるアイテムが、
 すべて有用性のあるアイテムかどうかと問われれば
 
ぶっちゃけ正直微妙なハズレアイテムも多くあります。
 その中で、
使えるアイテムを見つけ出し、
 
活用することによって、戦闘を有利に進められるようになるのです
 (スマートなやりかたではないけども、未知のアイテムに遭遇したら、
 「冒険」と割り切って、とりあえず片っ端から買ってみるプレーを推奨します)。






 あるいていこう。


 本作のプレー時間の大半は、
 
「ごきんじょ」の冒険に費やすことになります。

 探索型のマップが舞台のゲームだと、僕らは自然に
 「ゲームを進めるごとに行動範囲が増えていく」というのを連想してしまいますが、
 本作はさにあらず。
 あくまで舞台は「ごきんじょ」なので、
 
ゲーム開始序盤から作中世界のほとんどの場所に行けるのです。

 
 
ごきんじょ内のとある風景。洗濯物から誰の家かがわかったりします。

 とは言えど、本作のマップはけっこう広め。
 ごきんじょのどこに何があるのかを把握するのもけっこう大変。
 ゲーム中では一度しか訪れる必要のない場所なんかもあったりするし、
 イベントの発生具合によっては何の意味も成さないスポットなんかもあります。

 そこでオススメなのが、
手動マッピングというアナログ手段。
 ごきんじょ内には多くの住人がおりまして、
 イベントフラグを立てるためには、一軒家はもちろんのこと
 マンションやアパートの一室を訪れなければいけないことが多々あります。
 したがって、
どこに誰が住んでいるとかをしっかりと記すことで、
 ゲーム攻略が格段に快適となるのです。

 「ごきんじょ」という箱庭世界を探索してまわる……
 そんな冒険を彩るのが、ごきんじょのみなさんが喋る
膨大なメッセージ量
 本作は、最初から最後まで、冒険の舞台は「ごきんじょ」に終始しています。
 そのぶん、ごきんじょのみなさんが
喋る内容がコロコロと変わるのです。

 
 
たとえばおまわりさん。事件が起こると、たいていメッセージに変化があります。

 さすがに毎週メッセージが変わるなんてことはありませんが、
 ゲーム容量の大部分をメッセージデータに費やしたとか、
 そのおかげで開発に膨大な時間がかかった(※)とかの話もあるのも納得できるほど、
 
ごきんじょのみなさんはよく喋ります

 
 
※「ごきんじょ冒険隊」は、メディアミックス展開を前程としたコミック版が存在していたものの、
  
本作の発売が大いに遅れに遅れ、コミックの方が先に完結してしまったというマヌケな裏話がございます。


 名前の無いさりげない町の住人Aさんにも、
 それぞれ個性付けがなされているのが伝わってくるデキに仕上がっています。
 こいつは
ちょっとした職人芸レベル
 毎週日曜日のゲーム目的としては、
 フラグを立ててイベントを発生→クリアさせることではありますが、
 そんなことをうっかり忘れてしまうくらいに、
 
ごきんじょさんたちのメッセージ量は豊富なのです。


 
 
コミック版の挿絵より。↑のごきんじょ地図は、じつはゲーム版にほぼ忠実だったりするのが芸コマです。





 むかしはこどもだった、おとなのひとたちへ……


 ゲームのメインは「ごんきんじょ」の冒険で、
 その内容は
アドベンチャーゲームのような体裁のクエストクリア型。
 戦闘シーンの立ち位置は、
そのほとんどがイベント戦闘で、
 
戦闘密度の濃さに反して報酬は皆無に等しい
 そんでもってキャラクターの成長は、
「おべんきょう」パートがすべて

 これらの要素を総括して、ひとつ言えることがあります。
 それは「ごきんじょ冒険隊」のプレー感覚が、
 
テーブルトークRPGに非常に近いデザインに仕上がっているということです。

 したがって本作は、漫然と戦ってたら強くなって、
 先に進めるようになるRPGとは
ベクトルが異っていると言えます。
 このゲームの楽しさは、タイトルの通り
 「
ごきんじょ」という箱庭世界を「冒険」することにあるのです。

 
 
そう。それが「ごきんじょ冒険隊」なんでしゅ!


 ゲームとして、荒削りな部分が散見されることは否定できません。
 
フラグ立ての条件がノーヒントで、
 しかも
そのイベントがスキップできないなんてこともあったりします。
 歯応えのある戦闘バランスも、終盤に差し掛かる頃になれば
 強力な装備が充実してくるわ、「ひっさつわざ」を連続してブッ放せるわで、
 序盤〜中盤での緊張感のある戦闘が
どんどんヌル化していきます
 「冒険隊」の面々も、
使えるキャラと使えないキャラの性能差が激しいですし、
 
あきらかにコストバランスのおかしい「ひっさつわざ」も多いです。
 弱点属性の概念も存在しているものの、それらを戦略の一環として組み込めるほどの
 ゲームバランスには仕上がっていないという側面も存在します。

 
 
基本能力が低く、メカ系の敵が登場しない場面ではお荷物のドクターちゃんも終盤ではミサイルを発射するようになります。どんな幼稚園児だ。



 されど「ごきんじょ冒険隊」には、
 
かつて誰もが感じたことのあるワクワク感に満ち溢れています。
 それは「ごきんじょ」という
小さな世界の中にある未知との遭遇

 
近所の空き地に置いてある土管が、「冒険隊」のひみつきち
 そこを活動拠点に、クラスのいじめっこたちの縄張りの公園でけっとうを挑んだり、
 市民球場では、年上の不良小学生たちが結成した
悪のサッカーチームとのバトルなんかも繰り広げられます。

 
 
個人的に最もお気に入りのシナリオ。おバカな内容と恐怖のゲームバランスの温度差が、やたらインパクト強いです。
 
ボス戦で流れる曲↓が無駄にカッコイイのもポイント高し。
 


 その他にも、
踏み切りの向こう側森の奥
 大人たちに
行ってはいけないと言われてる場所や、怪しい洋館
 遊び場所にはうってつけな
神社に、なんかよくわからんけど何かありそうな裏山などなど。
 これといった目的は無くとも、
 漠然とした好奇心でそういった場所へ足を運んでゆく……そんな
小さな冒険ができるのです。

 大人になれば、世間を知り、視野が大きくなり、日常生活の行動範囲も広がります。
 だけども小さかった頃には、ごくごく近所の風景ですら
 とても大きなものに見えた経験を、誰もが持っていると思います。

 それは
チビッコの目線でしか見えない世界
 大人になることで、
すっかり忘れてしまった世界感覚だとも言えます。

 「
ごきんじょ冒険隊」の中には、その感覚が詰め込まれています。
 かつて誰もが過ごした日常の風景がゲームとして再現されているのです。


 「ごきんじょ冒険隊」は、大人になってしまった僕たちにも
 
その世界を追体験させてくれます
 
遠い昔に置き忘れてしまったあの感覚を、
 ゲームを通じて
思い出させてくれるのです。

 









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