ワンダープロジェクトJ〜機械の少年ピーノ〜
  94.12.9  エニックス


 



  
【ジャンル特定できませんゲーム(当時)】

  「ワンダープロジェクトJ」は
有名な作品であります。
 発売元がエニックスで、発売情報が初登場したのが週刊少年ジャンプで、
 ロクヨン初期には「2」が発売された(CMも流れてた)くらいなので、
 当時のユーザーならば誰でも知ってるくらい有名であります。
 あまりにも有名すぎるので、ここのネタにすると宣言してからも
 「…やっぱネタにするのやめようかなぁ」などと
無駄に悩んでいたくらい有名であります。

  しかし、発売当時の評判はあまり良いものとは言えず、中古市場に流れまくりでございました。
 本作が評価されなかった理由、それは
前例のないゲームシステム
 このゲームを包み込む
優しい雰囲気とは真逆の難易度にユーザーが打ちのめされたからです。
 かくいう僕も、このゲームを購入したときは、開始1時間ほどで詰まってプレー放棄
 →数ヵ月後に攻略本を購入して初めてその面白さを知ったことを、いまのうちに告白しておきます。


  「ワンダープロジェクトJ」は、
 
機械の少年であるピーノに、あんなことやこんなことなどいろんなことを教えていき、
 学習したことを活かしてイベントをクリアしていくゲームであります。
 本作を、当時のゲームジャンルというカテゴリーに当てはめるならば、
 いちおう
育成シミュレーションゲームが適切だと思いますが、
 
「大技林」にはアドベンチャーゲームとして扱われ、
 かくいう僕は
パズル要素の強いRPGとしてプレーしてたりと、
 なんとも
よくわからんっぷりを発揮してくれております。
 が、さらに興味深いのは、製作者の
米田喬氏は、
 本作を
コミュニケーションゲームだと語っていることでございます。

  今となっては、画面上のキャラクターとコミュニケーションするゲームなんぞ
 
(ギャルゲーのおかげで)吐いて捨てるほどございますが
 当時家庭用マシンにあったコミュニケーションゲームといえば
 天下のスクウェアの「アップルタウン物語」(87年)くらいでした。
 しかし、「アップルタウン物語」は、キャラクターとのコミュニケーションするには行動のバリエーションに乏しく、
 「キャラの行動をただ眺めているだけ」といった環境ソフトとしての要素が強いものだったのです。
 そういった意味では、「ワンダープロジェクトJ」は
 
キャラクターとのやりとりゲーム性の中心に据えた
 まさしく「コミュニケーションするゲーム」の元祖と言えるかもしれません。


  そんな本作の基本は、「指示」ゲーであります。
 プレーヤーは、インターフェイスロボ「ティンカー」を操作し(スーファミマウスにも対応)、
 オブジェクトを指示すると、ピーノがそこまで行って様々な反応を示します。
 で、その反応によってステータスが変化したり、
 プレーヤーがピーノを「誉める」or「叱る」(そして「
殴る」)ことで、いろんな行動を反復学習していくのです。

  最初のイベントでピーノが覚えなければいけないことは、「ゴムボールを投げる」こと。
 でも、生まれたばかりのピーノは
ゴムボールというものに触れたことがないので、
 ものすごく
キテレツな行動を僕たちに披露してくれます。
 とりあえず、
踏む
 とりあえず、
匂いを嗅ぐ
 とりあえず、
考え込む
 で……そのうち、投げる。
 ピーノがやっとこさボールを「投げた」とき、
 プレーヤーが
誉めてあげると、ピーノはそれを正しい行動だと認識し、
 それを何度も繰り返すことによって
 「
ボール=投げるもの」だということを学習していきます。

  こんな感じでいろんなことを学習させ、
 イベントで
正しい行動をしてくれればイベントクリア。
 が、実際プレーすると、これが簡単にはいきません。
 ピーノはなかなか言うことを聞いてくれないからです。
 何度も同じことを強要したり、物覚えが悪いからといって叱ってばっかりいると、
 ピーノにはストレスが溜まり、
プレーヤーのことを信用しなくなるのです。
 「これ、あきちゃった!ほかのことした〜い!」
 「フ〜ンだッ!」
 「てっかんなんか、大キライッ!」
 気がつけば、ピーノの
ストレス99ッ!信頼0ッ!
 
何をしても反逆、まったく命令を聞かない(ほぼ完全に操作不能)ピーノに対して、
 
本気で逆ギレできることでしょう。




  【攻略本必携です】

  イベントをクリアするためにピーノを育てる。
 これが本作の主な目的ですが、
 そのイベントをクリアするための条件が
複雑に絡み合っているというのも、
 これまた難易度が高い要因でございます。

  たとえば最初のイベントでは、「ボールを投げること」
だけではなく
 「勢いよくボールを投げられるだけの
腕力が必要」になってきます。
 そのためには「鉄アレイでトレーニングすること」を覚えなければならないってワケです
 (ひたすらゴムボールを投げ続けることで腕力を鍛えることも可能ですが)。
 


  さて、問題なのはここからです。
 次に待ち構えるイベントは、「偏屈ジイさんの畑で種を蒔く」というものであり、
 イベントクリアには、
 1.ジイさんに
挨拶をする
 2.ジイさんの飼っている犬に吠えられない
 3.
クワを使って畑を耕す
 4.
種を蒔く   …と、4つの段階が必要となってきます。

  で、じつは4の「種を蒔く」ことに、
 多くの人がハマリ状態に陥るほどの
落とし穴が待ち構えているのです(ゲーム開始30分にて)。

  「種を蒔くこと」を習得するには、知性のパラメーターが必要になってきます。
 ゲーム中でのヒントでは
 「百科事典が
読めるくらい頭が良ければ、種の蒔き方を閃く」と教えてもらえるものの、
 そうなるまでに、恐ろしいまでの遠回りを余儀なくされます。

  まず、「百科事典を読むため」には、もちろん百科事典を買ってこなければなりなせん。
 でも、その前にピーノが「
文字を読めること」が必要になります。
 そのために「国語の本を読むこと」をマスターしておく必要があるのワケです。
 が、これまでのゴムボール、鉄アレイ、クワ
体育会系なアイテムばかりを使いまくったおかげで、
 ピーノは
すでに筋肉バカなステータスになってしまっているのです。
 そんな
筋肉バカが、国語の本に対して取る行動は
 ・
投げる(腕が鍛えられてるのでよく飛びます)
 ・
踏みつける(「べんきょうキライッ!」 ピーノさん談)
 ・
破り捨てる(→国語の本を買わなきゃならなくなる)
 そう、ピーノは徹底的に本を読もうとしない、
 というよりも
筋肉バカにはそんな発想はできないのであります。

  筋肉バカから脱出しなければならないのに、
筋肉バカゆえに本を読もうとしない。
 デカルトの唯物論にも似た思考の袋小路っぷりを満喫しつつ、
 その過程にてピーノのストレスは(やっぱり)激増。
 主人公に対する信頼を失い、プレーヤーとピーノとの関係は
ズタボロと化す
 紆余曲折を経て、
どうにか国語の本を読めるようになったとしても、
 百科事典を
読むこと自体に、強烈なストレス大量の気力を必要とするという
 
余計なオマケがあるので、プレーヤー自身もリアルなストレスを堪能するハメに。
 
で、ピーノのコンディションに気を配りながら頭を良くしたら、
 種を買いに行って、
ようやく種を蒔くことを習得させる、と。
 …
ナンボほど回り道させるんじゃい!
 (こうならないためにも、
ゲーム開始直後に「国語の本を読むこと」を習得させておきましょう)


  さて、「種を蒔く」習得において、
 
もうひとつプレーヤーを惑わせる現象が起こります。
 ピーノに「種を蒔くこと」を覚えさせたいので、ピーノに種を調べさせてみたところ、
 ピーノはしゃがみこんでクルクル首を回転して考え込みました。
 「
コレは種というものらしい・・・

  そこでプレーヤーは悩みます。
 たしかにピーノが考えた内容
は間違っていない。
 でも、プレーヤーはピーノに「種を蒔く」という行動自体を覚えて欲しい。
 そういう意味では、種は「考え込むもの」ではないので、それは間違った行為だと教えるべきなのか?
 しかしピーノは間違っている訳ではないので、叱る必要はない。
 とは言えども、無視するのも薄情だし。
 ……う〜む。

  よし、とりあえずピーノを誉めてみよう。
 ピロリ〜ン(ピーノを誉める音)

 ピーノさん:「
わかったぞ〜!
 どうやらピーノさんは、理解したようです。
 ピーノさん:「
コレは種というものらしい・・・
 こうして、ピーノさんは、種というものを「考え込むもの」として覚えてくれました。
 …
全然わかってねぇ!!


  他にも、格闘大会をクリアするために必要な攻撃性を鍛えたはいいが、
 その格闘大会に参加するためには、
相反する知性のパラメーターを上げなければならないとか、
 運任せのイベントを乗り越えるために、ピーノ自身の
「うん」を上げなければならないとか、
 プレーヤーとの関係を阻害する
「ストレス」数値を上げないとスポーツ大会で成果を発揮できないとか、
 とにかくもうゲーム全編を通して、本当に本当に本当に
いろんなことをやらなければなりません

  本作を攻略するにあたって必要なこと。
 それは、
アイテムとステータスとの関係を把握することである!
 何をどのようにすれば、どんなステータスが変化するかさえ
把握できれば
 イッキに面白くなってくるが、ハッキリ言ってそんなの至難の技。
 したがって、攻略本なしでクリアした人を
僕は本気で尊敬します




  【みんな……ありがとう…】

  
激烈難易度な本作でございますが、クリアした人からは絶大な支持を得ております。
 「ワンダープロジェクトJ」が誇るもの、それは、
 ・
スーファミ史上最強、ある意味最凶ともいえるキャラクターパターン
  (「歩く」グラフィックだけで製作に1ヶ月かかったらしい)!
 ・当時、美しいグラフィック=写実的なグラフィックだと言われてた価値観をブチ壊した「
アニメ調の」美麗グラフィック
 ・
モノラルでプレーすることが本気でもったいないサウンド!
 どれもこれもが素晴らしく、「大作ゲーム」と呼ぶに相応しいデキですけども、
 僕たちが一生忘れることができないのは、その
物語なのであります!!

  本作は、「
差別」をテーマにした物語であります。
 ストーリー上での目的は「さらわれた生みの親ジェペット博士を助けること」ですが、
 その過程で僕らが目の当たりにするのは、人間とギジンとの
軋轢
 人間は、人間だけではどうしようもないことを克服するために機械人間=ギジンを作り出した。
 運動能力や思考能力が優れているギジンに、人々はコンプレックスを抱き、
 ギジンは「ココロ」がないことにコンプレックスを抱く。
 そして、マイノリティ故にギジンは迫害される存在となったのです。


  個人的に
涙腺をストライクしたのが、
 ゲーム終盤の
「王女様を救いに行く」イベント
 ツタを這いながらピーノが城壁を登っていくだけのシーンでありますが、
 ここにこそ、
このゲームのテーマが凝縮されていると信じています。

  ピーノは「えっほ、えっほ」と言いながら、
ただひたすらにツタを登っていく。
 眼前に広がるのは、物語の舞台である
コルロ島の全景
 向こうには、
青く澄んだ海大きな入道雲
 その間、ピーノの体力値は
だんだんと削られていく…。
 そこから見える
美しい景色には目もくれず、ピーノは王女様を助けるために
 ゆっくりながらも少しずつ、だが確実に上へと進む。
 人間とギジンとの壁を
たった一人で受け止め、傷つきながらも弱音を吐かずに進んでいくのです。
 ところが、王女に助けに行ったところでピーノを待ち受けているのは、なんと王女様の
拒絶だったのです!

  …おもいっきり
妄想が入っておりますが(王女様に拒絶されないことがイベントクリアの条件だから)、
 このイベントで、僕は涙がボロボロと溢れ出した!
 
泣かずにはいられなかったのであるッ!!!うぉ〜ん!!


  そして、多くのプレーヤーのハートを串刺し
にするのがエンディング!
 意外な展開(プリンが伏線だ!
)の先に待っているのは、
 ピーノが最期に残す「
みんな……ありがとう…」のセリフ(声:日高のり子)!
 「泣かない奴の気が知れない!泣かない奴は人間じゃねぇ!」とシャウトしたくなるほど、
 号泣間違いナシのエンディングには、誰もが
優しい気持ちになれることを保証します。

  …が、この結末は、どっちかというとバッドエンドであります。
 なぜなら、人間とギジン、両者のために頑張ったピーノは
けっきょく報われないからです。
 なんじゃそりゃ!そんなのピーノが可哀想すぎるやんけ!うぉ〜ん!!
 しかし、そんなピーノを救う方法はちゃんと存在します。

  涙が乾ききらないうちに、このゲームの2周目が始まります。
 2周目はどこが違うのかと言いますと、
 各章をクリアしたときに
5段階でプレー評価がされること。
 2周目は、コツさえつかんでいれば
3時間ほどでクリアできることでしょうし、
 比較的簡単にベストエンディングにたどりつくこともできるはずです。
 そして、前回とは異なる結末には、再び
涙腺破壊攻撃をお見舞いされることでしょう。
 幸せになれたピーノのその姿を見て…。うぉ〜ん!!




  【人間の狂気と愚かさについて(ウソ)】

  攻略本の巻末に収録されている製作スタッフのインタビューにて、
 製作者の米田喬氏は、このように語っております。
 「2巡目くらいからは
ムダなことをやってください」と。
 それを通して、僕らは思い知ることになる。
 本作に描かれている
ダークサイドの存在をッ!


  ゲーム開始時、ピーノはすべてにおいて白紙の状態。
 ボールは投げるもの、鉄アレイは持ち上げるものといった具合に
 「正しいこと」を学習させることがゲームの目的ではありますが、
 じつは、
間違ったことも「正しいこと」として学習させることも可能なのであります
 (ゲーム本編中にも、「投げるもの」として学習させたゴムボールを
 「考え込むもの」として覚えなおさなければならないシーンがある)。

  そのために僕たちに必要なもの。
 それは、愛、勇気、そして
バカ
 敢えて
間違ったことを覚えさせることで、
 ピーノさんの
驚異的な行動を拝むことができるのであり、
 そんな隠しアクションを見ることこそが、クリア後最大の楽しみなのであります!
 まさに逆転の発想!価値観の破壊!
すなはちバカ


  ピーノはひとつのアイテムに対して、おおまかに4つの行動を示します。
 攻撃性が高い→破壊!
 運動性が高い→投げるor蹴る!
 知性が高い→考える!
 感受性が高い→
常識にとらわれない行動をする

  そう、感受性が高い場合、ピーノさんは
イカレた行動をすることが多く、
 恐るべきことに、そんな奇怪行動をとったときの反応もアイテムごとにしっかり設定されているのです!
 まさにパラダイムシフト!グローバルスタンダード!金融ビッグバン!(てきとー)
 で、その行動とは…
何でも食べる
 攻略本のアイテム一覧を紐解いてみますと、おーおー書いておりますとも書いておりますとも!

 ・てつアレイ:感受性が高いと
食べてしまうときもある。
   食べると防御力と腕の力が
ぐんと上がる
 ・たね:感受性が高いと匂いをかいだり、
食べてしまうことがある。
   食べれば
腕の力、足の力、思考力、表現力が上がる
 ・こくごのほん:読んだときより
食べたときの方が
   思考力、想像力がぐんと上がり、体力が回復する。 

  …という具合に
、まるでロボット三太夫(byゆでたまご)。
 木の棒を食えば、剣も食う!
 サッカーボールを食うし、鉄球も食らう!
 自分の頭よりデカイ宝箱や玉乗りボールは
咀嚼せず豪快に丸飲みだッ!
 くにおくんに匹敵するほどのワイルドさでございます。
 で、「食うこと」を学習させまくれば、
 スポーツ大会のPK戦にて、
ゴールキーパーの目の前でサッカーボールを食うことや、
 サーカスでのイベントで、観客には
玉乗りではなく丸飲みを披露することも可能ッ!
 本作の奥深さは、そんな製作者の
こだわりが溢れているのであります


  が、製作者の
暴走はとどまることを知らない。
 本作がプレーヤー(
※ここではバカゲーマーのこと)に支持される理由には、
 恐るべき
隠しアクションが入っていることが挙げられます。
 そのカギを握っているのが、育ての親である
ジェペット博士の飼うペットどもである!

  ペットに対する行動には、
 
動物虐待持ち上げて筋トレ動物臭を嗅ぐなど、
 フツーにプレーするだけでも
動物愛護団体からのクレームが来そうなアクションが見られるが、
 感受性をさらに鍛えることによって、なんと
ペットを食うことも可能になるのだ!

  部屋で飼っている
ネコのミー。
 それを持ち上げるピーノ。
 大きく口を開けた瞬間、「…ニャ〜」と諦めにも似た鳴き声を上げ、ピーノさんの口の中へ。
 ピーノさんはもーぐもーぐとその味を噛み締めると、ごっくんと飲み込みます。
 
そしてネコは消滅(消化)!
 ご丁寧に体力まで回復してくれます。


  庭にいる
ニワトリのコッコ。
 それを持ち上げるピーノ。
 大きく口を開けた瞬間、己の置かれた状況を把握するが、抵抗むなしくピーノさんの口の中へ。
 ピーノさんはもーぐもーぐとその味を噛み締めると、ごっくんと飲み込みます。
 そして
ニワトリ消滅(消化)!
 もちろん体力も回復してくれます。

  
イヌのチロを食えないのは残念だが、まぁそれは製作側の最後の良心の気がしないでもない
 (この理由は、「種蒔きイベント」時のイヌに対する行動で、ハマリ状態を回避するためであると推測される。
 ということは、本当は
イヌも食えるようにしたかったに違いない)。
 が、冷静に考えてみれば
動物虐待できる時点で五十歩百歩
 
食えないイヌに怒りを込めて、
 必殺「ア〜シンドシュート」をお見舞いすれば、
 「
キャフゥ〜ン!」と無駄にリアルな雄叫びをあげるのだ!
 足の力を鍛えれば、ご丁寧に(イヌの)
飛距離まで伸びるし、
 壁に叩きつけた日にゃ、
わざわざバウンドして足元まで戻ってくるという
 
必要以上の職人芸には、誰もが脱帽してしまう筈だ
 ピロリ〜ン!(ピーノを誉める音)
 「わかったぞ〜!!(声:日高のりこ) 
ん〜、運動能力ついてきたかな(足の力アップ)。」
 …ピーノさん、あんたサイコー(
にバカ)だよ!!

  こんな感じで、本作の真価(
※バカゲーとして)が発揮されたとき、
 僕たちはタイトルに込められた意味を知る。
 これこそまさに、ピーノさんの
ワンダーなアクションを拝むためのバカゲー化計画(プロジェクト)!
 ちなみに「
J」とは、友人:キバヤシくんの説によると「邪念」の頭文字とのコトだ!


  文明とは、人間に豊かさをもたらす存在であれば、戦争兵器による大量殺戮を起こす存在でもある。
 ナイフが、道具にも凶器にもなるのと同様に、
 僕たちはピーノさんという存在を
 コルロ島を救うために使うこともできれば、動物虐待マッシーンに仕立てることも可能なのです
 (「バカとハサミは使いよう」のほうが正確か?)。
 そう、本作のダークサイドに描かれているのは、
 「
人間の狂気と愚かさ」というテーマだったのである!




  余談その1:「2」が発売される頃、今は亡き「じゅげむ」というゲーム雑誌にて
    製作者である米田喬氏が語った本作のルーツをご紹介。
 
    本作が開発される何年も前のこと、
    米田氏は「宮崎駿監督のゲームが登場したら凄いことになる」と考えていました。
    そして、仕事の関係でたまたま出会った
    イーダ神こと飯田馬ノ介監督(本作のアニメーション監修)のツテで宮崎カントクに会ったと。
    が、宮崎カントクはとにかくゲームが大嫌い(曰く「人の生命を、記号として扱うのが許せない」)で、
    ゲーム業界関係者であるという理由だけで、米田氏はケチョンケチョンにされたそうです。
    この事件がキッカケで飯田監督と親密になり、「ワンダープロジェクトJ」は誕生したのであります。

    尚、宮崎カントクがゲーム嫌いであるというのは、
    その昔、徳間書店から発売されたパソコンゲーム「風の谷のナウシカ」が
    ガンシップに乗って帝国兵を銃殺しまくる内容だったため、というのが定説であります。
    …PCエンジン版「未来少年コナン」も殺戮という点では、あんまり変わらんと思うのは気のせいですか。


  余談その2:だーいぶ後になって知ったことですが、
    このゲームのキャラクターデザインを担当したのは、アニメ「カウボーイビバップ」と同じ人だったりします。
    そう言われると、ピーノとエドは似てるような気がしないでもないですね(ちと遠いが)。






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