スーパーアレスタ
STG  91.4.28  東宝

 


  突然だが、の〜みそこねこねコンパイルである。
 コンパイルの名を聞いて
皆様は何を連想しますでしょうか?
 やっぱり「
ぷよぷよ」ですか?
 もみじ饅頭にとってかわる広島銘菓になりそこねた「
ぷよまん」か?
 ぷよぷよのルーツともいえる「
魔導物語」ですか?
 それとも、
野球ボールを武器に
 タッチャンとカッチャンがバケモノを殺戮する
ファミコン版「タッチ」か?

 ・・・まぁ、何を想うかは人それぞれでしょうけども、
 古くからコンパイルの名を知る人ならば、
 
「コンパイルといえばシューティングゲームだ!」と答えることだと思います。

  コンパイルがメジャーなソフトハウスになったのは、
 やはり「ぷよぷよ」の存在がデカイのが事実ですけども、
 コンパイルの名を知らしめた功績は、「ぷよぷよ」よりもシューティングゲームにあり、
 その立役者として「
アレスタ」というパソコンのシューティングゲームは、
 ごく一部の人間(=
マニア)の中で伝説として語り継がれています。
 それでも地方のいちソフトハウスにすぎなかったコンパイルの名は基本的には表に出ることはなく、
 大手ソフトメーカーの下請けとして地味にソフトを作り続けていたのでした。

  僕がそんなコンパイルの名を知ることになったのは、
 1989年の夏に発売されたゲーム「
ガンヘッド」でした。
 
「ガンヘッド」とは、
 ハドソンが「第5回キャラバン公式認定ソフト」として世に放った家庭用シューティングゲームの
傑作であり、
 「スターフォース」「スターソルジャー」「ヘクター87」の流れを汲む、
 まさしくファミコン戦士のためのようなアツイゲームであります。
 で、このゲームを開発したのが、
なんとコンパイルだったのです。


  時は流れ、コンパイルはシューティングゲームを引っ提げてスーパーファミにやってきました。
 その名も「
スーパーアレスタ」!
 スーパーファミコンの「アレスタ」だから「スーパーアレスタ」なんですが、
 実際のトコロ、「ガンヘッド」のテイストを見事なまでに進化させた
 
スーファミ版「ガンヘッド」と言っても過言ではありません。
 もともとはパソコン版がオリジナルの「アレスタ」シリーズですけども、
 パソコン持ってなかった僕にとっちゃあ、コンパイル=「ガンヘッド」だ!
 よって「スーパーアレスタ」=「ガンヘッド」の続編だ!
 文句あっか!なんだ、バカヤロー!!
 誰が何と言おうと、「スーパーアレスタ」は「ガンヘッド」の続編なんだよー!!シャーッ!!

  ・・・と、何故にここまで「ガンヘッド」に固執するかというと、
 あまりにも「スーパーアレスタ」には、
 「ガンヘッド」の特徴が随所に散りばめられているからです。

  ・特徴その1.
サウンドがまんま「ガンヘッド」
   「ガンヘッド」のサウンドと言えば、重低音がカッコ良すぎるドラム音である。
   他にも「カリカリ」とした金属音や、
   ザコ敵を倒したときの「バルバル」という破壊音も「スーパーアレスタ」には受け継がれている。
  ・特徴その2.
ヤケクソのように現れる敵
   最近では、縦シューのメインは「弾避け」にあるが、
   コンパイル製シューティングは「破壊」に重点が置かれている。
   ゲーム後半では、処理落ちするくらいのザコ敵が出てくるので、破壊の快感を味わえること間違いナシ!!
  ・特徴その3.
無駄にスゴイ演出とボリューム
   「ガンヘッド」も「スーパーアレスタ」も各ステージの特徴がハッキリしていて、
   派手なステージのオンパレードっぷりを披露しております。
   また、ユーザーには不評だったステージ間の長さも見事に受け継がれているので、
   クリアするまで1時間はかかるという超大盛りボリュームです。
  ・特徴その4.
ヤケクソに武器の種類が多い
   「ガンヘッド」の武器は種類が多いうえに、
   ホーミングレーザーとか着弾すると破裂する弾などの独創的な武器が多かったが、
   「スーパーアレスタ」でも共通する武器が多数登場する。
  ・特徴その5.
「金玉」
   パワーアップアイテムを撃ち続けると、
   その場で復活できるようになるコンティニュー玉(通称:金玉)が出現する。

  ・・・という具合に、「ガンヘッド」との共通点が多すぎ
 →「スーパーアレスタ」は、まぎれもなく「ガンヘッド」の血筋を受け継ぐ作品なのです。


  てなワケで、続編になってどのへんがパワーアップしたのかと言いますと、
 スーファミになったことで
無意味に回転拡大縮小しまくることや、
 スーファミでも処理落ちするくらい
更に多くの敵が出まくることなどがありますが、
 イチバン注目するべきなのは、
 なんと言っても
ただでさえ濃かった武器がさらに濃くなったことですか。

  「ガンヘッド」のときにユーザーのド肝を抜いたものに「武器の濃さ」というのがあります。
 敵に絡まる、通称「
ちぢれ麺レーザー」をはじめ、
 高速かつ美しい軌跡で
敵を殺すまで追尾するホーミングミサイル
 
自機を動かす必要のなくなる全方位型バルカン(※裏技)などの
 
独特かつ前代未聞のイカレポンチな武器たちが盛り沢山。
 「スーパーアレスタ」では、そんな武器がさらにパワーアップを果たし、
 
凄まじいまでのヤケクソっぷりを披露してくれております。

  そんな「スーパーアレスタ」の中でもサイコーにイカス武器は
 なんといっても「
チャージガン」でしょう。
 この武器は、いわゆる「溜め撃ち」タイプの武器なんですけども、
 あらゆる物体を貫通するわ、激烈な攻撃力を持つ上に敵弾は消し去るわ、
 フルパワーだと
画面の約半分を覆うほどの超絶武器でございます。
 そしてこの「チャージガン」こそが、
 「スーパーアレスタ」を
よりアツく遊ぶためのナイス武器なのです。


  もともと敵があまり弾を吐かないこのゲームは、
 昨今の「弾避けシュー」のような難しさはありません。
 むしろ難易度はかなり低めに設定されており、
 ハードモードでも比較的易しめのゲームバランスになっております(
武器が強すぎるせいですよ)。

  ところがどっこい、
 「撃ち返し弾モード」に設定すると、激烈に難易度が上昇します。
 この「撃ち返し弾モード」とは、
 破壊した敵が弾を吐くというゲーセンではお馴染みのシステムなのですが、
 「スーパーアレスタ」の場合、前述したとおり処理落ちするほどのザコ敵が出現するため、
 それを倒しただけ弾がバラ撒かれるハメになります。
 ハッキリ言って、その難易度は
超極悪級
 まともにプレーすることはまずムリです。

  そこで「チャージガン」なワケなんですが、
 じつはコレ、チャージ中は自機前方に
攻撃判定・弾消し判定のあるバリアが現れます。
 このバリアで、避けることのできない敵弾や一撃で倒せる敵を
受けとめて
 カタイ敵が現れたときだけ
チャージを放出して一掃するのです。
 つまり、バリアで倒せるザコ敵は体当たりで倒しながらパワーを溜め、
 ここぞというときに攻撃に転じる作戦が求められるのですが、
 この時点で、本来のシューティングゲームの二大要素「撃つ・避ける」に加えて、
 「
受ける・突っ込む」という要素が入った、なんとも奇妙なゲームシステムが成立するのです。
 これって最近の縦シューティングゲーム「
斑鳩(いかるが)」にソックリじゃないですか!!

  ・・・まぁ、こんなプレーが通用するのは
 せいぜい1面くらいで、時間にすると5分程度のものなンですけど、
 10年以上前のゲームにも関わらず、フツーにプレーしても楽しいのは当然のことながら、
 変則プレーによって現代的なシューティングゲームのような熱いプレーが味わえる本作は、
 懐が大きいといいますか、まさしく名作に相応しいゲームだと断言致します。


   君は憶えているか?
   あの暑い夏の日々を。
   努力・勇気・友情という言葉を胸に、
   宇宙から迫り来る敵たちと戦っていた
   「ファミコン戦士」として戦っていたときのことを・・・。


  忘れたと言うのなら、「スーパーアレスタ」が呼び覚ましてくれる、はずだ!