ザ・ファイヤーメン
ACT  94.9.9発売  ヒューマン

  少年時代、夏休みの夕方にホースで水まきをしてるとき、
 ホースの先をつまんで水圧の強くしたりして遊んだ経験はございませんか?
 「YES」と答えたアナタ。
 そんなアナタのためのゲームが存在します。

  そのゲームの名は「ザ・ファイヤーメン」。
 「全身火ダルマ男の複数形」という意味ではございません。
 「消防士」という意味です。あしからず。
 このゲームでのプレイヤーの目的は
 消防士になって、火災が発生した高層ビルを消火すること。
 消防士なんだから火を消すのは当たり前です。
 わかりやすいです。

  ゲームを開始して火災現場であるビルに入ると、次々と炎が襲いかかってきます。
 ホースから放水しまくり、それをどんどん消火していくワケですが、
 強力で直線的な「レーザー」(正式名称不明)と
 「バリアー」(上に同じ)を使いこなす必要があります。
 「レーザー」はリーチが長くて強力ですけど、範囲が狭くて床の炎が消せません。
 「バリアー」はリーチが短く威力も貧弱ですけど、床に散らばる火種を消火するのに必要です。
 この2つの消火方法を使って、高層ビルの屋上にある火元を目指すのですが、
 消防士に課せられた指令は消火だけではありません。

  それは人命救助です。
 ビルの中には逃げ遅れた人もいるので、彼らを救助しながら進んで行く必要があります。
 消防署本部から無線通信を受けながら、人命救助しつつ消火活動・・・。
 そのうち気分は、火事場のヒーローになっていきます。

  またゲーム中には、消火活動とはまた違った別の活動をすることができます。
 それは・・・破壊活動です。
 強力な水圧を誇るレーザー(仮名)は、オフィスビルのガラスを破壊することができます。
 しかも壊せる対象はガラスだけではございません。
 とにかくいろんな置物を壊すことが可能です。
 そりゃあもう、手当たり次第破壊しまくるのが快感だったりします。
 火事場のヒーローだって人間。
 ストレスも溜まりますわね。
 破壊活動でスッキリしたくなるのが本音なのかもしれませんね。

  でも、あんまり破壊活動に夢中になってはいけません。
 あくまで消防士の敵は炎。
 はっきり言って、ゲーム中の炎は強力です。
 だって、本当にプレイヤーをめがけて襲いかかってくるのですから。
 炎が追いかけてくるなんてことは現実世界ではありえませんが、
 そこはゲームだと思って割りきりましょう。
 すると、炎がまるで生き物のように見えてきます。
 どんな生き物かと言われると困るのですが、
 例えるならば人間を丸呑みする大蛇、ってところでしょうか。

  消防士が主人公の映画なんか見てたら、
 火災現場の炎を「生き物」に比喩するシーンが登場しますね。
 「ファイヤーメン」では、実際にあり得ない現象を使って
 炎を生き物のように見せ、かつゲームとして成立させたナイス作品です。
 炎に襲われるとき、プレーヤーも炎に対する恐怖を擬似的に味わうことができるのですから。

  ちょっとした雑学のある人なら
 「現場での炎の本当の恐怖は『バックドラフト』だ!」と言うことでしょう。
 「バックドラフト」とは、部屋の扉を開けた瞬間に
 室内に急激に酸素が入り込むことによって、大爆発を起こす現象のことで
 火災現場において、とにかくめっちゃ恐ろしい現象のことです。
 どのくらい恐ろしい現象なのかを知りたい人は
 「バックドラフト」というそのまんまのタイトルの映画を観てください。
 相当ハデに爆発するのが、よーくわかります。
 しかもオープニングから。

  もちろん、このゲームにもバックドラフト現象は存在します。
 ゲーム中には、先に進むためにガラスを破壊して進路を作る必要があるのですが、
 その瞬間・・・・・・大爆発が起こります。
 しかも相当ハデに爆発してくれます。
 もう、否応が無しにテンションは上がります。
 迫り来る恐怖、人命救助の達成感、
 その瞬間、プレイヤーはファイヤーメンとシンクロすることができます。

  さぁ、ファイヤーメンとシンクロしたいと思ったアナタ、
 このソフトも書き換えできますので、ローソンに行くべし!!